
海外FXが違法なのかどうか?トレーダー・アフィリエイト・海外FX業者の3つの視点から解説していきます。
ある海外FX業者が資金持ち逃げをした際に、金融庁や弁護士・警察など複数の機関に出向いて情報を得てきましたので、共有したいと思います。
「違法であっても実際に逮捕されるのか?」という部分が非常に重要ですので、解説していきます。
海外FXでトレードをするのは合法
海外FX業者を使ってトレードすること自体は違法ではなく、法律的に問題ありません。
元々、海外のプライベートバンクにお金を預ける資産家の人もいますが、海外の金融機関にお金を預けたり取引する行為も認められています。
法律的には問題ありませんが、海外にお金を預けることは日本の法律が適用されないため、注意が必要です。
プライベートバンクとは、スイス発祥の富裕層向けの金融機関で、資産運用だけでなく、相続、税務、教育、医療など多岐にわたる非金融サービスを、担当者がつくオーダーメイドで提供するものです。
海外FX業者に預けた資金が100%返ってくるとは限らない
海外では投資に関する法律が日本と違い、信託保全(倒産時の資金保証)やルールは海外の国の法律が適用されます。
海外FX業者が拠点としているオフショア国は法の整備がされていないため、万が一の倒産時に資金が戻ってくる制度が完備されてなく、万が一の場合はトレーダーが泣き寝入りすることになります。
海外の場合は訴訟をするにも、拠点となる国で訴訟をしないといけないため、その国の弁護士を探して提訴することになります。
実質的に難しいと思いますので、預ける資金は返ってこなくても負担にならない程度の資金にしておくのが無難です。
信託保全とは、証券会社やFX会社が顧客から預かった資産(証拠金など)を、自社の資産とは別に信託銀行に信託して管理する方法
「オフショア国」とは、ビジネス上のコスト削減や税制優遇・法律の抜け道を目的として、自国の業務や金融取引を委託・移転する「海外」を指します。
利益の取り消しや出金拒否をする業者がいる

海外FX業者の中には利益の取り消しや出金拒否をする業者がいます。
一方的に出金拒否をして、アカウントを削除されたり、こちら側の言い分を全く聞き入れない業者もいるため注意が必要です。
SNSで多くの人が利用している業者であっても、SNSだけで話題になっている可能性もあります。
しっかりと下調べをして、安全性が高い業者なのか危険な業者なのか判断するようにしましょう。
レート操作やストップ狩りの可能性もある
海外FX業者が利用するMT4やMT5は業者側のシステムでレート操作やストップ狩り、特定の顧客のスプレッドを広げたりすることができます。
特に急激に利益を上げるトレーダーに対しては、そのような操作をしてくる可能性があるため、途中から利益が出なくなった場合は、その業者から撤退することを検討しましょう。
比較的善良な会社は、レバレッジを下げる措置を取ってくるので、レバレッジを下げられたら撤退を考えると良いです。
海外FXのアフィリエイトをするのは違法の可能性
海外FXのアフィリエイトをする行為は、法律では明確に示されていませんが、「金融商品取引法違反罪のほう助」に該当する可能性があります。
通常、金融商品取引業者への勧誘行為は金融庁の登録が必要ですが、国内FXのアフィリエイトも特に登録が無くても違反扱いされていません。
現状、海外FXのアフィリエイトのみで捕まる可能性はゼロに近いですが、他の犯罪と組み合わせることで捕まるリスクが高まってくるので注意しましょう。
直接的な勧誘や絶対儲かるなどの発言は捕まるリスク大
SNSなどを使って、直接的に海外FX業者に登録させようとする勧誘行為は違法であり、捕まるリスクが非常に高いです。
また、「必ず儲かる」などの発言をすると、捕まり可能性が非常に高まります。
警察に行った時も、「直接的な勧誘」と「絶対儲かる」などの発言があったのか聞かれたので、この2つは非常に危険な言葉になります。
FX業者だけでなく、アフィリエイトの場合もこの2つを使った勧誘はリスクが非常に高いです。
損失補てんやキャッシュバック、トレーダーから利益の一部を取る行為は違法
アフィリエイト報酬の一部をトレーダーにキャッシュバックしたり、損失補てんをする行為は金融商品取引法の「特別の利益の提供」となり、逮捕の可能性があります。
国内FX業者でも過去に特定のトレーダーの損失を補てんしたとして、逮捕された事例もあります。
また、コピートレードなどで多く見られるハイウォーターマーク(トレーダーから利益の一部を取る行為)も違法性が高いため、気を付けた方が良いです。
海外FX業者が提供するコピートレードシステムにはハイウォーターマークが設定されているので、注意するようにしましょう。
海外FX業者が日本向けに運営するのは違法
海外FX業者が日本向けに運営する行為は違法です。
ホームページのフッター(下の方)では「日本居住者向けではありません」と記載していることもありますが、日本在住者がインターネットで閲覧できる時点で違法となります。
また、ホームページが日本で記載しているのも違法です。
日本で正しく運営する場合は金融庁の登録が必要となり、レバレッジは25倍、ゼロカットは無し(ゼロカットは違法のため)となります。
オフショア国で金融ライセンスと取っていても日本向け運営は違法
海外FX業者は海外のオフショア国(タックスヘイブンの国)の金融ライセンスを取って営業しているから大丈夫。という発言をしていますが、日本では違法になります。
海外で金融ライセンスを取っていても、日本で営業することはできず、日本の金融庁の登録が必要になります。
イギリスFCAのライセンスを持っていても、キプロスCySECのライセンスを持っていても安全ではなく、違法となります。
ほとんどの会社で信託保全は取っていないまたは嘘
日本のFX会社は金融商品取引法で信託保全が義務付けられていますが、海外の法律では信託保全が義務になっていることが少なく、海外FX業者のほとんどは信託保全を取り入れていません。
対外的に「信託保全をしている」と発言していても、実際には嘘だったり、単に分別管理(顧客資金を別口座で管理しているだけ)となっていることが多いです。
信託保全とは、万が一の倒産時に信託銀行が投資家に資金を返還する制度で、分別管理とは大きく違いがあります。
また、損害補償保険や「The Financial Commission」などの第三者機関に加盟も、信託保全とは程遠く、倒産時の補償ではないため気を付けましょう。
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日本在住日本人が海外FX業者をやっていても捕まっていない事例
2023年前後に複数の海外FX業者が資金を持ち逃げする事件が発生しました。
その1つは日本在住の日本人がオーナーとして運営していた業者ですが、金融庁でも具体的に動くことはなく、警察に告発しても捜査さえしてもらえない状態でした。
つまり、現状では日本に住みながら海外FX業者に扮した行為は、警察が動く可能性は低いです。
よほど明確な詐欺と認められない限りは難しいでしょう。
その業者は、再度、名前を変えて運営をしています。
海外FXでトラブルにあった時の相談先
海外FXでトラブルにあった場合、上記以外にも管轄の警察署で相談しましょう。
まとめ
海外FXが違法かどうか、トレーダー、アフィリエイト、海外FX業者の3つの視点で紹介して来ました。
現状、日本在住日本人運営の海外FX業者でさえ捕まらない状態なので、アフィリエイトをしている程度では捕まる可能性は低いと思われます。
(海外FX業者は明確に違法、アフィリエイトも解釈によっては違法となりますが)
トレーダーは合法なので、海外FX業者を使ってトレードすることは問題ありませんが、様々なリスクを考慮しながら、最悪なケースでも問題ない程度の資金で取引しましょう。
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